【絵本】「ころべばいいのに」
今日は絵本の紹介。
ヨシタケシンスケさんの「ころべばいいのに」を読んだ。
https://www.bronze.co.jp/books/post-179/
この本との出会いは確か3月の半ば。1ヶ月半くらい前。
コロナが流行り出して、外出は控えた方がいいよって言われ始めたころだったけど、
まだ私はコロナへの認識が甘く、(そして世間もそんな感じだった)
フラフラ街のカフェに繰り出したり、お散歩で街中をふらふらしてた。
そんな時に、ふらりと初めて入った本屋さんで見つけた本。
その本屋さんは、〈ザ・昔ながらの地域の本屋さん〉って感じで、
子ども向けの本とか、多分店主のおじいちゃんが好きなんだろうなっていうミステリー系の本が置いてあった。
決して品揃えはいいわけじゃないんだけど、その中で絵本を2冊買った。
1冊がこの「ころべばいいのに」。
もう1冊が「なんだろう なんだろう」。
どちらもヨシタケシンスケさんの絵本。
ヨシタケさんの本は買ったことはなかったけど、
何だかヨシタケさんのことは知っていて、
(NHKの番組に出てたから?でも、その前から何でか知ってる。)
ふと手に取りたくなった不思議な本。
実は、何だかおこがましい話だけど、私がこの本を買うことで、
この本屋さんがこれからもお商売を続けられますように!!なんて、思ったりもした。
おじいちゃん、クレジットカード払いはできないんだ、ごめんねって言ってくれて、
クレジットカード払いにすると、ただでさえ少ない利益がもっとなくなっちゃうんだって言ってたし。
さて、そんなこんなでルンルン気分で買ったはいいものの、
私あるあるで、買って満足してしまい、ずーっとベッドの脇に積んであったこの絵本。
つい2日前くらいに、何だか「今よ!!」と呼ばれてる気がして読んでみた。
ここ最近、コロナに関する周囲との感覚の違い、仕事に対する違和感、イライラを感じることがたくさんあったんだけど、
そんなふつふつとした、自分のイヤな部分、ぐちゃっとした、もやもやっとしたものを、
ふっと、そっと、上澄みを掬い取るっていうか、お鍋の中のアクを、気付いたら取ってもらっていた感覚というか、
「そんな気持ちもあるわよね〜」「みんな、そんな気持ち、抱えてるわよね〜〜〜」「ケセラセラ〜」という、
そんな軽い感じで受け止め、気付いたら受け流してくれてもらったような気持ちになった。
お話の主人公は女の子で、女の子にはキライな人がいる。
その女の子がキライな人に対して思う、「ころべばいいのに」っていうちょっとダークな気持ちとか、
そんな相手に対して浮かんでくるイライラした気持ち、
その気持ちとどう付き合っていくかっていうのが描かれているんだけど、
これがまた、「あるある!」「わかる〜〜〜!!」という共感の気持ちでいっぱいになる。
つい、「みんな仲良くしよう」っていう耳障りのいい、〈誰もが反論しにくい〉言葉が世の中にはあふれているんだけど、
きっと心の中でたくさんの人が思っているであろう、
「キライな人もいるよね。」「キライな人がいてもいいよね」っていう気持ちを代弁してくれてる本。
こんな考え方もあるのねって思えたら、人間関係で悩んでいる人たちにちょっとした心の余裕が生まれるんじゃないかなって思った。
コロナでギスギスしがちな今、たくさんの人にオススメしたい本。