【映画】マンデラの名もなき看守
映画の感想第2弾。
マンデラは、南アフリカの黒人解放運動家で、1994年から1999年まで南アフリカ大統領を務めた人。
アフリカ民族会議(ANC)に参加して反アパルトヘイト運動をしたことで、27年間獄中生活を送った。
この映画は、その獄中生活に関わった刑務官が主人公の話。
と言う情報は、恥ずかしながら映画を見終わって、
今この記事を書くために高校生の時の世界史の資料集と用語集を引っ張り出してきて初めて知った。
何となく、「マンデラ」と言う人の名前は知っていて、
ふむ、なんか世界史で聞いたかも!
と言う認識はあった。
でも、映画の中でアパルトヘイト(人種隔離政策)の様子が描かれて、マンデラがなんかすごくいいこと
(我々はただ平等に選挙権が欲しいのだ!とか、好き好んで暴力に訴えているのではないのだ!とか)
を言う中で、「おや?この人すごい人じゃね!?」となり、映画のクライマックスでこの人が大統領に就任したことを知る。
…あまりにも自分は無知だと思った。
そりゃ、「あ、アパルトヘイトって政策あったよね」「白人が黒人を差別してたあれでしょ!」くらいの認識はあったけど、
実際、どんな仕打ちがされていたとか、どんな言葉が投げつけられていたかとか、
そんなことまで自分は想像できていなかったことを思い知らされた。
差別って怖い。
同じ人間のはずなのに、どうしてあんなに相手を酷く扱えるのだろうと思った。
もちろん、映画だからある程度の脚色はされているんだけど、
それにしても、目を覆いたくなるような場面はあった。
子どもを連れた黒人の母親が、問答無用で白人警察に追いかけられ、収容される場面。
刑務所で反抗した黒人が、柱に縛り付けられて雨に打たれている場面。
体をムチで叩かれながら労働を強いられる場面…。
そして、その描かれた場面が、1962年から1990年(マンデラが投獄されていた27年間)という、
非常に最近起こっていたという事実。
「黒人は野蛮」だから、というのが、この時の常識だったのだろうと思う。
きっと、疑問を持つ人もいただろうけど、
世間の空気に逆らってまで声を上げる人は少数だったんだろうな。
この記事を書きながら、イスラム国のことを思い出した。
あの件についても、私は詳しく知らない。(知らなきゃダメだけど。)
だけど、きっと構造は似ていて、
テロを起こしている人たちの中には、何かしらの主張があって、
それが、通常の交渉では聞き入れられないから、あんな行動に走ったのではないか。
もちろん、なんかよくわからないけど参加してる人もいるかもしれない。
だけど、安易に「あの組織はテロリストだ!!だから攻撃してもいいのだ!平和のために!」とかいうのは怖い。
差別は、昔の話なんかじゃない。今も、いろんなところで、同じように繰り返されている。
「それって本当?」「何でそう言い切れるの?」と問い続ける姿勢を、多くの人が持てたらいいな。
情報の選別。自分で考える力。差別に対してどんな時でもNOと言える心。
大事にしようと思う。
いい映画。